使いかた ワンポイントアドバイス
糸通し器の使いかた
自動糸通し器は針穴に糸通しができる、便利な機能です。
自動糸通し器は、針穴に小さな糸通しカギを後ろから差し込み、前にある糸を引っ掛けて後ろに丸く掻き出すような仕組みです。
糸通しのポイント
- 1.糸をゆったりと持ちます。
- しっかりと糸を持ってしまうと、針の後ろに輪ができる糸の余裕がなくなります。
糸は糸通しカギから外れない程度にゆったりと持ち、手前に軽く引きます。
- 2.レバーを保持し、ゆっくり戻します。
- レバーは手前に回すと自動で上に戻りますが、手で保持してゆっくり戻した方が糸通しカギから糸が外れず、糸が針穴に入りやすくなります。
糸ごまのセットの方法
糸ごまが正しくセットされていないと、糸立て棒に糸が絡みついたり、糸切れや糸調子不良の原因となります。
正しい糸ごまのセットとポイントを確認しましょう。
【ポイント】
・糸ごまの切りみぞを糸立て棒の根元に向ける
・糸ごま押えで糸ごまを押える
糸ごまの向き
切りみぞを糸立て棒の根元に向けてセットする
糸が出る方向に糸ごまの切りみぞがあると、切りみぞに糸が引っ掛かり、糸が切れたり糸調子がとれないことがあります。
糸ごまに切りみぞがある場合は切りみぞが糸立て棒の根元に向くようにセットしてください。
- 横向き 糸立て棒の場合
- 糸ごまは糸立て棒の奥までセットした後、糸ごま押えを取り付けてください。
糸ごま押えを取り付けないと、糸ごまが棒から抜け出たり、糸立て棒に糸が絡みつく場合があります。
- 縦向き 糸立て棒の場合
- 糸ごまを立てて使用する場合は、糸立て棒に糸ごまクッション、糸ごまの順で取り付けます。
クッションを取り付けないと、糸ごまが空回りして滑らかに糸が出ないことがあります。
- 糸ごま押えをセットしてください。
糸ごま押えの取り付け方向に注意してください。
下糸の正しい巻きかた
下糸が均一に巻けていなかったり、ボヨボヨしていると糸調子が不安定になり、糸絡みなどの原因となります。
正しい糸の巻きかたとポイントを確認しましょう。
【3つのポイント】
・正しく糸をかける。
・スピードはいちばん"はやい"に設定する。
・糸端をしっかり持ち、巻き始めに糸をたるませない。
- 糸立て棒に糸ごまを入れ、糸ごま押えをかぶせます。
- 右手で糸を保持し、糸案内に糸をかけます。
- 下糸巻き案内に糸を手前から1周巻きつけます。
※ここで1周巻きつけていないと、ボビンにしっかりと糸が巻きつかず傾き、ゆるみの原因となります。
- ボビンの穴に内側から糸を通す。
⇒ミシンにあったボビン選び
- ボビンのみぞと下糸巻き軸のバネの位置を合わせ、軸にセットし、ボビンを矢印の方向に押します。
ボビンの穴から引き出した糸がたるまないように糸の端をもち、開始・停止スイッチを押して、またはフットコントローラーを踏んで巻き始めます。
- ボビンが数回転したらいったん止め、巻き始めの糸を短く切ったあと、再度開始・停止スイッチを押して、またはフットコントローラーを踏んで糸を巻き続けます。
※巻き始めの糸を切らずにそのままにしておくと、糸絡みの原因となりますので、かならず短く切ってください。
- 下糸がいっぱいになって、ボビンの回転が止まったら、すぐに開始・停止スイッチを押して、またはフットコントローラーから足を離してミシンを止めます。
下糸巻き軸を左に戻してボビンを外し、糸の端を切ってください。
- ※ご使用の機種によっては形状の違いにより、糸掛けの手順が上記と異なる場合があります。
その際はお手元の取扱説明書をご確認ください
縫い目長さの調節方法
「縫い目の長さ」とは、針が下りてから次の針が下りるまでの距離、つまり縫い目ひと目分の長さのことです。
縫う素材によって調整することで、美しい縫い目に仕上げることができます。
※縫い目長さが調節できない機種があります。
美しく縫うポイント
- 薄地の場合
- サテン、ダブルガーゼなどの薄地を縫うときは、縫い目の長さをこまかくすることで生地のよれを防ぐことができます。
- 厚地や布送りが悪い布地の場合
- タオル、デニム等の厚地や、コーデュロイ、ベルベットなどの布送りが悪い布地は、縫い目の長さをあらくします。
こまかくすると布地が伸びてしまい、しわの原因になります。
縫い目長さ・ジグザグふり幅/直線針位置の設定方法
コンピューターミシンでは、縫い目の長さやジグザグふり幅/直線針位置を自動設定もしくは手動設定から選択できます。
【ポイント】
素材や目的に合わせて縫い目の微調節が可能
自動設定
模様を選択すると、その模様に最適な縫い目長さ・ジグザグふり幅で縫うことができます。
直線縫いの模様の場合は、針落ち位置は中基線で縫うことができます。
手動設定
縫い目長さ調節ボタン・ジグザグふり幅調節ボタンを押して調節することで、お好みの縫い目の長さやジグザグふり幅で縫うことができます。
直線縫いの模様の場合は、針落ち位置の変更が可能です。
※ 一部仕様が異なる機種があります。詳しくはお手元の取扱説明書をご確認ください。
手動設定時の注意点
電源スイッチを切ると、手動で設定したデータがリセットされます。
その為、電源を入れたときに調節つまみの位置がどこにあっても自動設定に戻ります。
縫いかた ワンポイントアドバイス
裁ち目かがりのコツ
「裁ち目かがり」とは?
布端の裁ち目から糸がほつれないように処理する方法です。
裁ち目かがりの縫い模様は「ジグザグ縫い」「点線ジグザグ縫い」「オーバーロック縫い」などがあり、素材や用途により使い分けが可能です。
【ポイント】
・縫いはじめる前にプーリーを回し、針の位置を布端に落ちるように調整する
・縫いはじめて布端が左側に引っ張られる場合は、上糸調子を少し弱める
・
端縫い(縁かがり)押えを使う
(※ 一部使えない機種・模様があります)
-
ジグザグ縫い
裁ち目かがりの最も基本的な縫い模様です。
※ 端縫い(縁かがり)押えが使用可能です。
(一部の機種を除く)
-
点線ジグザグ縫い
普通地や伸縮地などの裁ち目かがりに使用します。
※ 端縫い(縁かがり)押えは使用できません
-
オーバーロック
地縫い(2枚の布地を縫い合わせること)と裁ち目かがりを一度にするときに使用します。
※ 端縫い(縁かがり)押えが使用可能です
※ 模様が搭載されていない機種があります
縫いにくい布地の縫いかた
布送りがうまくいかない場合は、縫う素材に合わせてミシンの設定やちょっとした工夫をすることで縫いやすくなります。
すべりが悪い布地
ビニール素材・皮・ベルベットなどのすべりが悪い布地
【ポイント】
・縫い目長さはあらく、ゆっくり縫う
・薄い紙を敷いて、布地と一緒に縫う
・専用押えを使用する
- 縫い目の長さと速度を調整する
-
縫い目の長さをあらくして、ゆっくりのスピードで縫います。
生地をゆっくり大きく送ることで、生地が進みやすくなります。
※ ご使用の機種によっては調整方法が上記と異なる場合があります。その際はお手元の取扱説明書をご確認ください。
- 薄い紙と一緒に縫う
-
ハトロン紙などの薄い紙や水溶性シートを布の上や下に置いて一緒に縫うと、生地が進みやすくなります。
※ 縫った後に紙を取り除いてください。
- ローラー押え・上送り押えを使用する
-
押えに付いているローラーで生地を送りやすくするローラー押えや、押えと送り歯ではさみながら生地を送る上送り押えなども使用できます。
※ 機種・素材・縫い模様によってはご使用いただけない場合があります。
縫い目をまっすぐに縫うコツ
布端を針板の案内線や押えの端に合わせて縫い進めることで、布送りの歪みを防止し、仕上がりがきれいになります。
【ポイント】
・目線は、針が落ちるところではなく、布端に合わせる
・ステッチガイドを使用する(※ 一部使えない機種があります)
ステッチガイド
布端をステッチガイドの縁に沿わせて縫うだけで、お好みの縫い幅でまっすぐ縫えます。
お役立ち情報
針板の目盛り表示について
縫うときに生地を置く針板(はりいた)には、線と数字が入っています。
一定の幅でまっすぐ縫うためのガイドとして便利です。
-
針板の線と数字は、「針穴の中心からの距離」を表しています。
一定距離でまっすぐ縫うためのガイドにもなります。
※目盛り表示がない機種もあります。
※針が穴の中心に下りない機種もあります。
- 整数表記の単位は「ミリメートル」です。
「10」は針穴の中心からの距離が10mmになります。
- 分数表記の単位は「インチ」です。
「1/2」は針穴の中心からの距離が1/2インチ(約1.27cm)になります。
ミシンにあったボビン選び
ボビンには様々な種類、サイズがあり、メーカーや釜の種類によって使えるものが異なります。
ご使用のミシンにあったボビンを使わないと、糸調子がとれなかったり、糸がらみの原因になりますので、必ずミシンに合ったものかご確認ください。
ボビンの種類
- 水平釜の場合
- ・プラスチックボビン
・家庭用水平釜の全回転用
・幅20.5mm、高さ11.5mm
- 垂直釜の場合
- ・金属ボビン・プラスチックボビン
・家庭用垂直釜の半回転用
・幅20.5mm、高さ11.5mm
針基線について
針基線とは、直線縫いのときに針が下りる位置のことです。針板の針穴に対して左端に下りるミシンは左基線、真ん中に下りるミシンは中基線といいます。
左基線は針穴に布が巻き込まれにくいため、薄地縫いに適しています。
針基線の変更ができるミシンは、基線を右端や左端に変更できます。布地を動かして針位置に合わせるのではなく、縫いたい位置に針を移動することができます。
注油をする場所
釜の掃除をしたときに釜に油を差すことで、動きを滑らかにし、さびを防止できます。
注油前にご確認ください
・ミシン油以外の油を使用しないでください。
・油の量はごく少量(1滴程度)にしてください。油が多すぎると生地や糸が汚れる原因となります。
・釜以外の部分には、あらかじめ粘度の高い油が塗ってあるため、注油する必要はありません。
水平釜の場合
ほこりを取り除いた後、釜のふち、釜の中心あたり(写真の箇所)にミシン油を1滴差します。
垂直釜の場合
ほこりを取り除いた後、大釜のふち、釜の中心あたり(写真の箇所)にミシン油を1滴差します。